とあるバハイ教徒の日記:第二支部

神の存在証明と地球温暖化防止

新型原子炉AP1000について:その2:東芝の経営危機問題

新型原子炉AP1000について、少し動きが出たので書いてみる。

なぜ、原子力(それもトリウム炉ではない)に僕が注目しているかというと、2030年以前におけるCO2削減は原子力か天然ガスくらいしかオプションがないからだ(太陽光や風力もあるのだが、エネルギー供給量と供給の安定性に問題がある)。

ウェスチングハウス社のAP1000は、静的安定性という設計概念により電源喪失時にもメルトダウンを起こさないとされているのも僕がこの原子炉に注目する理由である(あくまでも設計上安全とされているだけで、運用時にも本当に安全かどうかは分からないが)。

なお、東芝によるAP1000についての解説は https://www.toshiba.co.jp/nuclearenergy/kangaeru/iec-pa7.htm にある(解説動画もある)。

この新型炉についての動向は既に、http://yujimiyako.blog.fc2.com/blog-entry-14.html にまとめた。

「新型原子炉AP1000について:その1」にまとめた東芝の経営危機については、まだ継続している。

最新のニュースでは、東芝は上場廃止の恐れもあるとされている。この経営危機の全ての原因はAP1000の建設の遅れによる巨額損失にある。

東芝は半導体事業を「東芝メモリ」という子会社にして、それを売却することによる利益により、この巨額損失を埋め合わせる方針を立てていた。

しかし、この「子会社化→売却」という東芝の方針に米ウエスタンデジタル社が反発して「東芝による分社化・売却は契約違反である」と主張し、株式取得に向けて独占交渉権を要求した。

そのウエスタンデジタル社の主張に対し、東芝は「ウエスタンデジタル社が妨害行為をしている」としているとして、妨害行為差し止めの仮処分と1200億円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。

このように、東芝の半導体事業売却は混沌としており、どういう結末になるか全く先が読めない。

なお、東芝が今年5月19日に実施した2次入札には、政府系ファンドの産業革新機構を軸とする「日米連合」・台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業・米半導体大手ブロードコム・韓国の半導体大手SKハイニックスの4陣営が応札している。

そして、仮に半導体事業の売却が上手く行き、AP1000の建設の遅れによる巨額損失を何とか埋め合わせられたとしても、その後にAP1000建設でさらに巨大損失が出る可能性もありうる。そうなれば、東芝は倒産するしかなくなるだろう。

噂では国民的アニメ「サザエさん」の番組スポンサーから東芝が降りるのでは?という話もあったが、最近のニュースでは東芝はサザエさんのスポンサーは続ける予定であるという。

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以上では、AP1000を設計したウェスチングハウス社の親会社である東芝の動向を説明したが、次にAP1000建設の動向について書いてみる。

東芝は本年6月10日、ウェスチングハウス社が建設中のAP1000原発ボーグル3・4号機建設計画に関する親会社保証について、サザン電力に対し、3,680百万米ドル(4129億円)を2017年10月から2021年1月までの間に分割して支払うことで合意書を締結した。

2008年にウェスチングハウス社が2基のAP1000原子炉建設プロジェクトを受注した際、親会社保証契約を締結したが、今回、保証上限の金額とその支払いスケジュールについて合意した、という経緯である。

この合意に伴い、プロジェクトコストの増加等の如何なる事情を問わず、保証上限額以外の建設プロジェクト関連費用は東芝に請求されない。

また、ウェスチングハウス社とサザン電力は契約を改定した。ウェスチングハウス社は原子炉AP1000の技術提供・支援に回り、原発建設はサザン電力が引き継ぐことになった。当面は工事を続行するが、そのまま完成を目指すか断念するかは今夏中にも決定する(つまり、開発中止の可能性もあるということである)。

以上で説明したボーグル3・4号機は米国で建設中の4機のAP1000うち2機についての合意と契約改定であり、他の2機については、現在、交渉を行っている途中である。残り2機の交渉結果によっては東芝に更なる追加負担が生じる可能性もある。

いずれにせよ、原子炉の開発・建設には大きなリスクがあることがこのAP1000の事例から分かる。

当初の予定ではボーグル3・4号機は2017年・2018年は送電開始の予定だった。その予定が、現在では建設中止の可能性もあるという状況なのである。

これ以上、建設の遅れが長引けば東芝は倒産する可能性が出て来るだろう。そして、CO2を排出しないエネルギー技術としての原子力発電にも疑問符が付くことになるだろう。

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