CO2発生を1/10に抑える化石燃料の利用法について
- 2017/06/15
- 20:56
http://yujimiyako.blog.fc2.com/blog-entry-69.html においては、エネルギー保存則があるにも関わらずエネルギー消費が起こってしまう理由を書いた。
その理由とは、燃焼の場合、化学エネルギーという質の高いエネルギーから熱エネルギーという質の低いエネルギーに変わったから「エネルギー消費」という概念が生じると説明した。そこで起こっていることは、エクセルギー(有効に仕事に変換できる部分)の損失である。
したがって、エクセルギー損失を出来るだけ低減する必要がある。エクセルギー・パワー・システムズ社https://www.ut-ec.co.jp/portfolio/exergy はこれを実現させるために設立された。
日本のエネルギーフローを見ると、エネルギーうち有効に使われているのは34%程度に過ぎず、残りの2/3は無駄に捨てられている。
燃料(化学エネルギー)はエクセルギー率が0.9~1.0と高く、これをエクセルギー率が低い熱エネルギーに変換する過程でエクセルギー損失が発生する。
本日はまず、堤敦司氏の提言する、物質生産におけるエクセルギー低減について述べる。
すべての化学プロセスは、吸熱反応と発熱反応の組み合わせである。
工業プロセスは通常、吸熱反応では、加熱炉など燃料を燃焼させることにより原料を加熱している。しかし、我々が気付かねばならないことは、本来ならば数千度以上の熱が取り出せる燃料をたかだか数百度の反応熱を供給するためにただ燃焼させている、ということである。
他方、発熱反応においては、装置コストと安全性を考えて出来る限り低温で行われてきた。多くの人はプロセスの低温化が省エネルギーであると考えているが、それは全くの誤りであり、発熱反応はできる限り高温で行い、発生した熱エネルギーを有効利用するのが正しい考えである。
本来、より高温の熱エネルギーが得られるものを低温でとり出すことにより大きなエクセルギー損失が発生するのである。
したがって、発熱反応は出来る限り高温で行い、取り出した熱を吸熱反応に供給し反応を進行させることによってエクセルギー損失を大幅に低減することが出来る。
工業プロセスには以上の考えを適用する事で大幅なエネルギー効率改善が可能になると考えられる。
次にエネルギー変換(発電)であるが、堤敦司氏はエネルギー再生による高効率発電を提言している。
堤敦司氏の提言する発電は、化石燃料による発電であるが、燃焼過程において低レベルの排熱をプロセスの上流へと循環させ、高エクセルギー率のエネルギーと混合し、これで発電する方法である。
このようなエネルギー再生の具体的方法は、以下のようなものがある。
(1)熱化学再生
排熱を吸熱反応により化学エクセルギーに変換してリサイクルする
(2)熱再生
排熱を熱交換して空気あるいは燃料の余熱に利用する。再生器付きタービンとしてすでに実用化がされている。
(3)スチーム再生あるいはCO2再生
スチームおよびCO2は燃焼生成物であり、これを循環させることによって平衡をずらし燃焼におけるエクセルギー損失を低下させる
以上で説明したように、化石燃料による発電は、エネルギー再生によって、エクセルギー損失を大幅に低減することが出来る、と堤敦司氏は主張している。
こうした方法を採用することにより、CO2排出は1/10に減る、と考えられる。
なお、今回は文章で表現しているが、図にした方が分かりやすいかも知れないので、今後は図を示して解説することも検討したい。
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その理由とは、燃焼の場合、化学エネルギーという質の高いエネルギーから熱エネルギーという質の低いエネルギーに変わったから「エネルギー消費」という概念が生じると説明した。そこで起こっていることは、エクセルギー(有効に仕事に変換できる部分)の損失である。
したがって、エクセルギー損失を出来るだけ低減する必要がある。エクセルギー・パワー・システムズ社https://www.ut-ec.co.jp/portfolio/exergy はこれを実現させるために設立された。
日本のエネルギーフローを見ると、エネルギーうち有効に使われているのは34%程度に過ぎず、残りの2/3は無駄に捨てられている。
燃料(化学エネルギー)はエクセルギー率が0.9~1.0と高く、これをエクセルギー率が低い熱エネルギーに変換する過程でエクセルギー損失が発生する。
本日はまず、堤敦司氏の提言する、物質生産におけるエクセルギー低減について述べる。
すべての化学プロセスは、吸熱反応と発熱反応の組み合わせである。
工業プロセスは通常、吸熱反応では、加熱炉など燃料を燃焼させることにより原料を加熱している。しかし、我々が気付かねばならないことは、本来ならば数千度以上の熱が取り出せる燃料をたかだか数百度の反応熱を供給するためにただ燃焼させている、ということである。
他方、発熱反応においては、装置コストと安全性を考えて出来る限り低温で行われてきた。多くの人はプロセスの低温化が省エネルギーであると考えているが、それは全くの誤りであり、発熱反応はできる限り高温で行い、発生した熱エネルギーを有効利用するのが正しい考えである。
本来、より高温の熱エネルギーが得られるものを低温でとり出すことにより大きなエクセルギー損失が発生するのである。
したがって、発熱反応は出来る限り高温で行い、取り出した熱を吸熱反応に供給し反応を進行させることによってエクセルギー損失を大幅に低減することが出来る。
工業プロセスには以上の考えを適用する事で大幅なエネルギー効率改善が可能になると考えられる。
次にエネルギー変換(発電)であるが、堤敦司氏はエネルギー再生による高効率発電を提言している。
堤敦司氏の提言する発電は、化石燃料による発電であるが、燃焼過程において低レベルの排熱をプロセスの上流へと循環させ、高エクセルギー率のエネルギーと混合し、これで発電する方法である。
このようなエネルギー再生の具体的方法は、以下のようなものがある。
(1)熱化学再生
排熱を吸熱反応により化学エクセルギーに変換してリサイクルする
(2)熱再生
排熱を熱交換して空気あるいは燃料の余熱に利用する。再生器付きタービンとしてすでに実用化がされている。
(3)スチーム再生あるいはCO2再生
スチームおよびCO2は燃焼生成物であり、これを循環させることによって平衡をずらし燃焼におけるエクセルギー損失を低下させる
以上で説明したように、化石燃料による発電は、エネルギー再生によって、エクセルギー損失を大幅に低減することが出来る、と堤敦司氏は主張している。
こうした方法を採用することにより、CO2排出は1/10に減る、と考えられる。
なお、今回は文章で表現しているが、図にした方が分かりやすいかも知れないので、今後は図を示して解説することも検討したい。
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