とあるバハイ教徒の日記

神の存在証明と地球温暖化防止

CO2排出量をゼロに出来るのは2060年か?2160年か?

僕がいつも巡回しているブログに平山滋さんの「クルマと エネルギーと 地球の未来と ...」というブログがあります。彼のブログは地球温暖化に対する技術的なトピックを次々と紹介されるので、地球温暖化対策に興味のある方はブログ更新をチェックされると良いと思います。

なお、彼のブログ「クルマと エネルギーと 地球の未来と ...」のアドレスは https://blogs.yahoo.co.jp/zaqwsx_29 です。

ここで本題なのですが、最近、彼のブログ記事の中に「おやっ?」と思った記事がありました。

それは『「再エネ電源80%でも経済は活性化」 IRENAが報告書』という記事です。元ネタは日経テクノロジーオンラインなので、ソースには信頼があります。

(以下、引用 https://blogs.yahoo.co.jp/zaqwsx_29/34766143.html

日経テクノロジーオンライン 2017/03/27

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は3月20日、「経済活動に負の影響を及ぼさず、全世界でのエネルギー起源CO2の排出量を2050年までに70%削減し、2060年までにはゼロにできる」との調査結果を明らかにした。

ドイツで開催された「ベルリン・エネルギー転換対話(Berlin Energy Transition Dialogue)」においてIRENAが発表した調査報告書「エネルギー転換のための視点:低炭素エネルギー転換のための投資ニーズ」によるもの。

(引用終わり)

なぜ、僕が「おやっ?」と思ったのか。それは、ひとつには僕が3月27日に書いた記事にある以下の部分です。

(以下、引用 http://yujimiyako.blog.fc2.com/blog-entry-3.html

(前略)
この 「21世紀政策研究所」の報告を見る限り、『今後20–30年以内にCO2を劇的に減らすのは無理、2050年までにCO2を80%削減するのも無理』と読めます。
(後略)

(引用終わり)

『「再エネ電源80%でも経済は活性化」 IRENAが報告書』と 「21世紀政策研究所」の報告書は結論がまるで違っています。方や「2050年までにCO2を80%削減するのは無理」、片や「再エネ電源80%でも経済は活性化」です。頭が混乱して来ますね。

実は、僕はかつて地球温暖化問題の研究者をしていたことがあり(現在は事情により他業種に移っていますが)、この問題を専門家がどう考えているか、少しは分かります。

「2050年までにCO2を80%削減するのは無理」と言っている人たち(経済学者・工学者がメインで、それに少数の気象学者も混じっている)は「オーバーシュートシナリオ」と呼ばれるCO2削減経路を考えているのです。

「オーバーシュートシナリオ」を簡単に説明すると以下のようになります。

(以下、引用 http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=4337

地球温暖化による温度上昇を2℃以内に収めるためには大気中のCO2濃度を450ppm以下に留める必要がある。しかしながら、既に430ppm程度まで達している現実を踏まえ、一時的に450ppmを超えるが早急に、450ppm以下に落ち着かせるというシナリオである。一時的に450ppmを超えても100年程度の間の累積排出量が450ppm以下の場合と同様であれば、環境影響は450ppm以下に抑えた場合と同様となるという考え方に基づく。
 当面は、経済的に無難な削減策により、濃度は550ppmまで一時的にオーバーシュートするが、将来の大胆な温室効果ガス削減技術により、450ppm以下まで減らすというもので、いずれにしても大気中に一度放出されたCO2を回収し、大気中濃度を将来下げるというもの。多くのオーバーシュートシナリオでは、バイオマスCCSや広範な植林を想定しているが、実現可能性は低いとの指摘もある。(2015年7月作成)

(引用終わり)

オーバーシュートシナリオには色々なパターンが考えられているようですが、日本人が発案した有名なシナリオに「Z650シナリオ」というものがあります。これは、ブループラネット賞(環境分野でのノーベル賞のようなもの)を受賞された松野太郎さんが発案したものです。

松野太郎さんがブループラネット賞の記念として行った講演から引用します。

(以下、引用 http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201312/277004.html

これまでの大気CO2濃度の「安定化」の概念に私は疑問を感じました。従来考えられていた安定化よりゼロエミッションの方がいいのです。本日はこのことについてお話しいたします。

(中略)

「安定化」を目指して削減努力をするのであれば、緩めることなく継続し、目標とする安定化濃度での自然吸収量(現排出の10〜20%程度)より十分低いレベルまで排出量を減らす、つまり実質的ゼロエミッションにすれば、CO2濃度は減少に転ずることができます。同時に温度上昇も頭打ちとなり、ゆっくりと下降します。最終的(約1000年後)には、産業化以前と同じような、何千年も続く「安定な平衡状態」に落ち着きます。

(中略)

比較結果をご紹介します。Z650のCO2削減については、2160年にゼロ、CO2濃度は一時480ppmでE450より高い値になりますが、その後下降します。温度は1.8°Cを少し超えますがその後下がります。一方E450は、CO2濃度のピークはZ650より低いのですが、ピーク後もだらだらと排出が続きます。450ppmに対応する温度は2°Cですが、安定化後もどんどん上がって2.1°Cに近づいていきます。
(後略)

(引用終わり)

このような事で、松野太郎さん発案のZ650シナリオでは、CO2排出をゼロにするのは「2160年」となっています。

ここで議論が分かれるわけです。 IRENA報告書ではCO2排出をゼロにするのは「2060年」、Z650シナリオではそれが「2160年」と100年もずれてしまっています。

では、どちらが正しいのでしょうか?

それは結局、新エネルギー技術の進歩にかかっていて、現時点では「どちらが正しいか、分からない」というのが僕の意見です。

(この話はまた機会があれば続きを書きます)

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