とあるバハイ教徒の日記:第二支部

神の存在証明と地球温暖化防止

原子力発電は必要か

「原子力発電は必要か?」この問題はジャーナリズムの世界でも研究の世界でも極端に意見の分かれる問題である。これは福島原発事故が起こった後もあまり変わっていない。

例えば、NHKの解説記事「視点・論点 原発再稼働 必要性を考える(1)澤昭裕氏 (2)吉岡斉氏」の議論は、同じシリーズの記事であるにも関わらず結論が反対である。

澤昭裕氏は(1) 電気の安定供給を万全にすること(何かの電源が使えなくなくなっても、他の電源を使って何とか問題を表面化するのを防ぐというやり方はそろそろ限界。火力発電所は老朽化が進んでおり、また天然ガスや石油は輸入が不安定) (2) 二酸化炭素の排出を抑えること (3) 経済面への悪影響を取り除くこと(原発停止中に天然ガスや石油などの輸入が増加し、年間3~4兆円が輸入代金として国外に流れ出た。その結果、電気料金が上昇し、国内の消費に回るはずだった我々のお金は国外に流出し、このままではアベノミクスも失敗に終わるだろう) という3点から、原発再稼働は必要であるという。

他方、吉岡斉氏は、原子力発電は他の発電方式と比べてエネルギー安定供給、環境保全、経済性の観点から見て劣った技術であると主張する。エネルギー安定供給については、福島原発事故以降、多数の原子炉が一度にダウンし運転再開に長期間を要したことを見るように、最も安定供給性が劣るという。また環境保全性については有害化学物質や二酸化炭素排出が少ない一方で、事故による放射線・放射能の環境への大量放出のリスクをかかえ、また放射性廃棄物を生み出すという。経済性についても、使用済み核燃料を取り出してから最終処分するまでの費用が法外な金額となる恐れがあるという(更に、福島原発事故での損害額は現時点で11兆円、将来分も合わせれば数十兆円になるという)。

人間は誰でも主観で生きている。完全に客観的にはなれないから、ある問題について異なる意見が出るのは当たり前なのだが、原発問題ほど意見が分かれる題材は珍しい。エネルギー問題はイデオロギーとは異なるから、これほど意見が分かれる理由はないのであるが・・。

ちなみに、欧米諸国を見れば、ドイツ・イタリア・スイスでは原発全廃の路線、アメリカ・イギリスは慎重ではあるがやや原発推進路線、フランス・ロシア・東ヨーロッパでは原発推進の路線と国により路線が分かれている。中でもフランスは全発電量の約8割を原発に依存している。

日本において今後、原発推進路線が取られるかというと、それは難しいと僕は考える。それは日本が地震国という固有事情があるからである。福島原発事故ではたまたま季節風に乗って放射性物質が海上に拡散して行ったことが幸運だったが、もしあれが夏季に起こり海風に乗って陸上に拡散していれば、人の住めない地域がもっと広がっていただろう。したがって、廃炉に伴う新型炉へのリプレースはあっても、新設は政治的に難しいのではないかと考えている。

ただ、中国・インドなどの新興国では原子力発電所は増えていくだろう。

なお、IPCCの第5次評価報告書では2010~2029年までの原子力による二酸化炭素低減はさほど大きくなく、自然エネルギー、CCS(CO2回収・貯留)、省エネルギーの効果が原子力よりも大きくなっている(IPCC第5次評価報告書WG3のFigure SPM.9を参照)。

ということで、原発賛成・反対を巡っていくら騒いでも日本では「コップの中の嵐」であり、中期的には原発は現状維持、長期的には新エネルギーへの転換になって行くだろうと予想している。

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