とあるバハイ教徒の日記

神の存在証明と地球温暖化防止

古川和男著「原発」革命について―安全で核拡散のない原発は実現するか?―

地球温暖化を防ぐためには、二酸化炭素の排出を抑えねばならない。

二酸化炭素の排出抑制にあたっては、色々な研究者が色々な事を言っているが、一番肝心なことは、二酸化炭素を発生しないエネルギー源を見つけなけばならない、ということである。

二酸化炭素を発生しないエネルギー源は、究極的には自然エネルギーと核融合だろうが、現時点では自然エネルギーだけでは世界のエネルギー需要をまかなうことは出来ないし、核融合については将来的にも実現可能かどうかさえ分からない。

そこで多くの研究者が言うことは、「当面は原子力に頼る」という事である。福島第一原発事故の後でさえ、彼らの多くは意見を変えていない。それほど、エネルギー問題と地球温暖化問題は矛盾しているのである。

僕のブログでは「エネルギー消費を1/10に減らす技術」 http://yujimiyako.blog.fc2.com/blog-entry-11.html 「加速器駆動未臨界炉」 http://yujimiyako.blog.fc2.com/blog-entry-22.html をエネルギー問題と地球温暖化問題の解決の解決に使うべし、と主張しているのだが、もうひとつのアイディアを取り上げた人がいるので、本日の日記はそれについて書くことにする。

それは、故・古川和男氏が提唱した「溶融塩原子炉」というものである。これはトリウムを核燃料に用いた液体核燃料サイクルで、溶融塩を一次冷却材として使用する原子炉である。実は、この技術を用いた原子炉はアメリカで1960年に実際に稼働しており、現在でもインド・中国で計画が進められている。つまり溶融塩原子炉はそれほど新しい技術ではないのである。

では、なぜトリウム溶融塩原子炉がこれまで日の目を見なかったのか?http://wired.jp/2012/05/03/thorium/ によれば、「それが核兵器に使えないからですよ(笑)」という事である。具体的に言うと、核兵器に使うプルトニウムの生産にはトリウム溶融塩原子炉は向いていないのである。

このトリウム溶融塩原子炉は古川和男氏によれば、安全であり、低コストであり、核拡散防止に貢献し、しかもこれまでに原発で生産された使用済み核燃料処理の問題解決に用いることが出来るそうである。

安全性については、燃料が液体であり、すでに溶けているからメルトダウン問題は起こらず、沸点も1500度という高温でかつ化学的に空気と反応することもない、とのことである。したがって、水蒸気や水素がたまって爆発するようなことはない。

コストについては、目標3円/kwhという事で現在の原発が10円/kwhであるのに比べると格段に安くなっている。

核拡散防止については、プルトニウムの生産に向かない事から、それが逆にこの技術の進展を妨げてきたという皮肉な歴史がある。神の最高の被造物であるはずの人類が、兵器技術の発展ばかりに熱を上げて来たとは一体どういうことだろうか?

このトリウム溶融塩原子炉は、トリウムを燃料として用い核燃料サイクルを行う点で「加速器駆動未臨界炉」と少し似ている。大きな違いは、トリウム溶融塩原子炉が臨界状態で運転するのに対し、加速器駆動未臨界炉は未臨界状態で運転する点にある。また、トリウム溶融塩原子炉はすでにアメリカで運転されていた点も異なる。では、なぜアメリカはこの技術を放置してしまったのか?恐らく、それは軍事転用に向かないので予算が付きにくい点が原因であると想像出来る。

いずれにせよ、古川和男氏はトリウム溶融塩原子炉による、核の平和利用とプルトニウムの根絶を訴え続けてきたので、日本の学会では完全に干されたまま人生を終えられてしまった。彼の考えは『「原発」革命』という本 https://www.amazon.co.jp/「原発」革命 にまとめられている。

なお、古川和男氏が提唱した技術は(株)トリウムテックソリューション http://www.ttsinc.jp/ という会社で技術開発が進められており、2030年までには技術を完成させることを目標としている。本来ならば、高速増殖炉によるプルトニウム核燃料サイクルに充てられた研究費用をトリウム核燃料サイクルの研究費用に当てればもっと早く技術が完成しそうに思うのだが、現実はそう甘く無いようで、(株)トリウムテックソリューションは完全に民間費用だけで開発しなければならないようだ。

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