とあるバハイ教徒の日記:第二支部

神の存在証明と地球温暖化防止

高温ガス炉の開発は中国がリードしている?

高温ガス炉と呼ばれる次世代原子炉技術がある。

これは一次冷却材に液体金属ではなくヘリウムを用いるガス直接冷却黒鉛炉である。減速材は黒鉛であり、軽水炉が燃料棒を用いるのに対し高温ガス炉では被膜された粒状の燃料の集合体あるいは六角柱型の燃料集合体を用いている。

このタイプの炉の利点は、福島原発事故で起こったような炉心溶融、水素爆発、大量の放射性物質放出のリスクがないことが挙げられる。例えば、日本で開発が進められているHTTR(高温工学試験研究炉)では、全電源喪失を想定した訓練を行い、その結果、全電源喪失が起こっても炉心の燃料が自然に安定な状態に落ち着くことを確認した(福島原発の場合は全電源喪失によりメルトダウンが起こった)。

日本における高温ガス炉の研究は1960年代から始まっており、1999年には出力30MWの試験運転を始めた。また、950℃という温度を利用した水素製造の試験にも成功している。

問題は、この高温ガス炉の開発成功はメディアであまり報道されないことである。そして、その陰では中国が急速にこのタイプの原子炉の研究開発を進めている。例えば、http://www.tepia.co.jp/tepiamonthly/pdf/tepia-monthly20160727.pdf の記事を以下に引用する。

(以下、引用 http://www.tepia.co.jp/tepiamonthly/pdf/tepia-monthly20160727.pdf

日本はまだ試験研究炉段階だというのに、中国では来年(2017 年)、20 万 kW の高温ガス炉(HTGR)実証炉が完成する。60 万 kW の実用炉の建設もスタートする。国内外で HTGRプロジェクトを積極的に進める中国核工業建設集団公司と中国を代表する原子力事業者の中国広核集団有限公司は 7 月 15 日、HTGR 専門会社を共同で設立する取決めを結んだ(=写真)。国内での HTGR 建設の促進に加え、世界に向けて HTGR の輸出をめざす。日中が覇を競ってきた HTGR 開発は、中国に軍配があがった。

(中略)

中国核工業建設集団公司は、HTGR の輸出にも積極的だ。2015 年 4 月には南アフリカ、16年 1 月にはサウジアラビアと HTGR 協力覚書を締結。また、インドネシアとの間でも同国のHTGR 実験炉に協力することで合意している。李克強首相は今年 4 月、中国の HTGR 開発拠点の清華大学を訪問した際、HTGR の海外展開を支持する考えを表明した。

これといった目立った動きのない日本が、中国に追い付くのはきわめて難しい状況になった。起死回生は望むべくもない。

(引用終了)

このように、遥かに長く高温ガス炉の研究を続けてきた日本が、あっさりと覇を中国に明け渡してしまったのである。この原因はひとつには高速増殖炉もんじゅと核燃料サイクルに開発エネルギーを集中させた国のエネルギー政策の失敗があるだろう。

このままでは、http://yujimiyako.blog.fc2.com/blog-entry-38.html に書いたようにトリウム溶融塩原子炉の開発においても中国に覇を明け渡すことになるのではないだろうか?

いずれにせよ、新エネルギーにおいては日本は研究レベルでは世界のトップに立ちながら、商用レベルになると他国にあっさり覇を明け渡す傾向が見られる。この体質は何としてでも改善せねばならない。

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